ハワイ旅行でのトラブル対策:病院・薬・保険の準備方法
2025/10/19
(保存版/家族連れ・三世代旅行にも役立つ実践ガイド)
本記事は情報提供を目的とした一般的なガイドです。最終的な受診・携行薬・保険の判断は、各自の主治医・加入保険・現地医療機関の指示に従ってください。
1|「いざ」という時に:まず知っておくべき番号
- 911(救急・消防・警察の緊急通報)
生命や重大な後遺症の危険が疑われる場合は迷わず911。通話は無料で24時間対応(英語)。 - 988(メンタル危機対応)
自殺念慮や強い不安・パニック時に電話・テキスト・チャットで24時間無料相談。英語中心ですが、聴覚障がい者向け窓口もあり。身体危機は911を優先。
2|受診先の選び方:ER(救急外来)かアージェントケアか
ERに行くべき症状
- 激しい胸痛、呼吸困難、麻痺、ろれつ不良、大出血、重度外傷、意識障害などはERへ直行。
- オアフ島の中核病院:The Queen’s Medical Center(ホノルル中心)、Straub Medical Centerなど。24時間体制。
アージェントケアで済むケース
- 高熱、ひどい喉痛、中等度の捻挫や切創、耳痛、結膜炎など生命危機でない急病や軽外傷。
- Straub Ward Village Clinic & Urgent Care(カカアコ)などは毎日10:00–20:00で予約不要。
- ホテル内併設のDoctors on Call(ワイキキ)も観光客向けに便利。
**テレヘルス(オンライン診療)**を活用すれば、軽症時はホテルから医師に相談し、検査や対面受診が必要か判断できます。
3|オアフ島で覚えておくと安心な医療機関(例)
- The Queen’s Medical Center(ER 24時間):ホノルル中心部。
- Straub Medical Center(ER 24時間):ダウンタウン隣接。
- Straub Ward Village Clinic & Urgent Care:毎日10:00–20:00。
- Queen’s Island Urgent Care(カパフル、カカアコなど):8:00–20:00。
4|薬の準備:日本からの持参・機内持ち込み・現地入手
米国入国時の医薬品ルール
- 処方薬は本人分のみ。英語の処方箋や医師英文証明が望ましい。
- 元の薬袋・容器のまま携行し、滞在必要量(目安90日以内)に留める。
- 向精神薬・麻薬などはDEA規制対象で厳格な扱い。
TSAの液体ルール:医薬品は例外扱いで機内持ち込み可。検査時に申告し、原ラベルと英文処方内容を提示。
現地で薬を入手
- CVSやLongs Drugsなどの薬局で市販薬やワクチン接種が可能。
- 処方薬の補充は医師の診察→処方→薬局が基本。日本の処方箋はそのままでは使えない。
5|費用と保険:高額請求を避けるコツ
No Surprises Actで守られる場面
- 緊急受診がネットワーク外施設でも、患者負担はネットワーク内自己負担額まで。
- 院内の一部診療科(麻酔・放射線・救急など)がネットワーク外でも差額請求禁止。
請求書とEOB(Explanation of Benefits)を必ず確認し、不明点は保険会社に問い合わせること。
旅行前の保険チェックリスト
- 国内医療保険が海外での救急・緊急をどう定義しているか。
- クレジットカード付帯保険の利用条件と補償限度。
- 医療搬送(メディバック)、通訳支援、家族帯同費用の有無。
6|家族連れ・持病持ちの準備リスト(出発1〜2週間前)
- 薬一式(機内持ち込み)
英語の処方内容、原ラベル容器、予備数日分。液体薬はTSA例外で申告。 - 医療情報カード
既往症、アレルギー、服用薬、緊急連絡先、保険窓口(英語)。 - 保険書類
保険証券、緊急連絡先、キャッシュレス病院案内。 - 受診フローのメモ
軽症→テレヘルス/アージェントケア、重症→911/ER、メンタル危機→988。 - 子ども・高齢者向け
服薬スケジュールの英語版、解熱剤は体重別換算を確認、脱水対策の経口補水粉末。
7|当日の立ち回り:受診をスムーズにするコツ
- 症状のタイムラインをメモ(発症時刻・経過・服薬歴・既往症)。
- 発疹や受傷部位の写真、体温・脈拍記録を持参。
- 支払いはクレジットカードが主流。請求明細と診療記録は保険請求に必須。
8|英語フレーズ最小セット
- “I need urgent care, but it’s not life-threatening.”
- “I have chest pain and shortness of breath.”
- “These are my medications and allergies.”
- “Can you provide an itemized bill and medical report for insurance?”
9|ケース別の想定シナリオ
- ワイキキで子どもが高熱:テレヘルス→Ward Village Urgent Care→薬局で解熱剤。
- 海で足を切った:アージェントケアで洗浄・縫合。破傷風接種歴確認。
- 強い不安発作:988で即時支援。急性リスクなら911。
- ER受診後に高額請求:明細とEOBを確認し、No Surprises Act対象か保険会社に照会。
10|まとめ:決めておく・揃えておく・落ち着いて動く
- 決めておく:軽症→テレヘルス/UC、重症→911/ER、心の危機→988。
- 揃えておく:薬、保険書類、医療情報カード、連絡網。
- 落ち着いて動く:症状説明を簡潔に、明細と記録を必ず持ち帰る。
出発前60分でできる最終チェック
- スマホに911/988、保険窓口、最寄りUrgent Careを登録。
- 薬の英文リストと原ラベルを機内手荷物へ。
- No Surprises Actの要点をメモ。